次のように帰納的に定義される数列 の極限値を求めよ。
(1)
まず、この数列の有界性を示す。すなわち であることを示す。
のときは より明らかに成り立っている。
次に に対して
より、任意の について が成り立っていることが分かる。
ここで、 であることを用いた。
次に、この数列の単調性を示す。すなわち、単調増加数列であることを示す。
まず、 が成り立っている。
次に に対して
が言えるので、単調増加数列であることが分かる。ここで のときに上式の不等号が成り立つことを用いた。
従って、数列 は上に有界な単調増加数列であるので収束する。その収束値を とすると
となり、今、 より、 と求まる。
(2)
まず、数列 の極限値が存在すると仮定すると
となり、 を考慮して、 と求まる。
以下、数列 が に収束することを示す。
まず、相加相乗平均の関係より
であることに注意する。
最後の不等式は先に相加相乗平均を用いて得られた関係を用いた。
さらに
なる関係が成り立つことに注意して
が成り立つので
が言える。従って、数列 は に収束することが分かる。
(3)
まず、数列 の有界性を示す。すなわち, を示す。
数学的帰納法を用いて示す。
まず、 である。
次に、 と仮定すると
となり、 が示される。
次に、数列 が単調増加数列であることを、同様に数学的帰納法により示す。
まず、 より が成り立っている。
次に が成り立っているとするとき
が成立する。
従って、数列 は上に有界な単調増加数列であるので、極限値を持つ。その極限値を とすると
となり、 に注意すると、極限値は
と求まる。