線形代数

行列の基本的な性質(3)

次の行列が対称行列となるように $a$ の値を求めよ。
(1)
\begin{pmatrix}
1 & a \\
a^2 & a^3 \\
\end{pmatrix}
(2)
\begin{pmatrix}
1 & a & a^2 \\
a^3 & a^4 & a^5 \\
a^6 & a^7 & a^8 \\
\end{pmatrix}

(1)
対称行列となるように $a$ を定めるには、対応する非対角成分が等しければ良いので
\begin{align}
a &= a^2
\end{align}
が得られる。この解は
\begin{align}
a &=0, 1
\end{align}
と求められる。
(2)
(1)と同様にして
\begin{align}
a &= a^3 \\
a^2 &= a^6 \\
a^5 &= a^7
\end{align}
が得られる。第2式は第1式が成り立てば成り立ち、さらに、第3式も、第1式を使えば
\begin{align}
a^5 &= a^3 a^2 = a^3 \\
a^7 &= a^3 a^3 a = a^3
\end{align}
となり、第1式が成り立てば常に成り立つので、第1式さえ成り立てば良い。
従って
\begin{align}
a(a – 1) (a + 1) &= 0
\end{align}
より、$a = 0, \pm 1$ と求まる。